カフェの隣から聞こえてくる会話は大抵しょうもない。居酒屋なら時々おもしろい話が聞こえてきたりするけど、おおよそはダンナの愚痴か、カネの話か、仕事の愚痴ばかりだ。散々あーだこーだ言って、オシボリの破れた袋を丁寧に結んで、またあーだこーだ始まって、終いには、ご飯は作らないと!、または、パチンコでもいくか、で終わる。
聞きかた、もとても難しい。オシボリで鶴を折らなきゃ聞いてられないし、うかつな返事は災いのもとだ。
以前、奈良のゲストハウス、ウガヤに行った時のこと。古い建物をリフォームしてあって、昔の町屋の造りというか、玄関入ると一段上がって広く宿泊者の共有スペースがある。
そこにコタツと本棚があって、特にやることもないので、ライブ終わってビール片手にそこの本を読んでいた。
その中に河合隼雄とゆうひとの本があって、それにハマってしまい結局ライブの疲れも忘れて明け方まで読み、結果共有スペースのコタツで寝落ちした。
豊橋に帰ってから何冊かその人の本を読んだけど面白い。臨床心理士。
その河合隼雄氏と村上春樹氏が対談してる内容の本が先日、なぜか空港の小さな本屋にあったので読んでみるとこれもまたおもしろい。
小説とゆう芸術に打ち込むひとの話を臨床心理士が聞く、幾多の人々をカウンセリングしてきた人の話を小説家がきく、なかなか深くまで掘り下げていてとても興味深い。あんまり村上春樹を読んだことないけど、一流の人の言うことは一流。
少し言いにくそうな話題にも触れてる。この”言いにくそうな話題”を受け入れてくれる人ってすごいね。”ある意味不謹慎かもしれませんが、、”から始まる話を。まぁまぁ、と流されてしまう相手もいれば、それはつまりどうゆうことだろう、と考えてくれる人もいる。この違いはなんだろか。懐の深さとゆうわけでもなさそうだし。
“人には誰でも欠落した部分があるが、それでいいんだ、それも自分なんだとゆう結論には絶対にならない”と春樹氏。言ってくれるなぁ。一流の生命力。
臨床心理士とゆうこともあってはなしの聞き方についても書いてあるけど、なんだかまぁおれ的な解釈では、水面のように聞くって感じかな。相手の顔を映しながら揺れたりするような。
カフェのオバちゃんたちが帰り道、まぁちょっと言いすぎたけど、冷静になってみたらこうだな、とかゆう風に聞けたら、カフェで聞こえてくる会話も面白いのかもしれない。
オススメです。